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平成24年度両丹地区夏季研修会報告

 

平成24年度両丹地区夏季研修会報告

 両丹地区理事 山添 三知生

 

両丹地区春季研修会を平成2492()丹後あじわいの郷にて開催しました。

参加者33名(会員26名 医師1名 賛助会員6名)

 

1.AIDR 3Dについて

京都府立与謝の海病院 後藤 宏成氏

近年、CTの画像再構成の分野でも逐次近似再構成が注目されている。導入されている逐次近似再構成は収集された投影データ上で、統計学的ノイズモデル、スキャナーモデルを用いてノイズを低減し、さらにアナトミカルモデルを用いて画像再構成の中でノイズ成分のみを抽出して繰り返し除去し、これにより、最大50%のノイズ低減と、75%の被ばく低減効果を発揮するという原理の説明があった。

また、逐次近似再構成を使用すると、どのようにSDが最善するか実験がなされ、結果は使用することで画像のノイズが低減し同等のSDを得るのに少ない電流で足りること。他には特に低線量域でSDの改善が著名に現れたが、X線の足りない領域では、画像が作られなかった。逐次近似の強度が4種類あり、その強度の順で効果があることなどが明らかになった。その他、再構成時間については、従来と変わらないとの報告もあり、臨床画像においては、ストリートアーチファクトが減少していることなどの発表内容であった。

 

 

特別講演

成長期の野球肩、肘の障害について(画像診断)

京丹後市立久美浜病院整形外科 医師 吉岡 直樹先生

障害とは、突発的な外力による怪我ではなく、小さな負荷が慢性的に長期間生じることによって起こる。特に成長期は年齢により(骨端線閉鎖前後)発症、治療のパターンが分かれる。手術にまで至るのは5%程度で、保存療法が大切である。投球禁止等の保存療法は半年から1年と長きに亘るため、指導者や保護者を含めた、精神的なサポートも必要になってくる。

肘の障害も発症のメカニズムにより分類され、その中でも小頭障害(OCD)は後遺症が残りやすいので、早期発見、早期治療が大切である。一般撮影で肘関節の診断には、正面像、側面像に加えて正面上腕45°屈曲位、正面伸展30°外旋位の4枚が有用である。また、整形外科領域でもエコーによる診断が行われるようになり、靭帯、軟骨、血腫等の観察が容易に行える。

投球のメカニズムで肩、肘と同様に体幹、下半身の柔軟性が重要であり、吉岡先生におかれても医科学サポートチームを編成し、障害予防・再発予防の上で大切になってくるセルフコンディショニングを推奨され、検診会場でストレッチ等を紹介されている。このような取組が今後大きく拡がっていくことを期待する。

 

 

2.静脈注射(針刺しは除く)講習会について

京都第ニ赤十字病院 河本 勲則氏

63日開催されました、抜針講習会(日放技講義室)に参加しましたので報告します。この講習会は、厚生労働省「チーム医療推進方策WG」において、診療放射線技師の業務範囲の見直しに関する検討が行われ、「CTMRI検査における造影剤投与後の静脈路の抜針および止血を行うこと」が取り上げられ、十分な教育・研修を行うことを条件に実施できるようになったことより、都道府県開催に先立ち運営担当者を集め講習会が開催されました。

内容は、講義(法的責任、薬剤に関する知識、合併症への対応、感染管理)と抜針実習で5時間のプログラムで行われました。実習では、上肢ファントム(血管君)を使用して行いましたが、数が少なく(4セット)各参加者の使用時間も限られ検討の余地があります。

この講習会は、あくまでも厚生労働省医政局長の通達が発令されることを前提として、まず全国8ヶ所で開催することになりますが、未だ通達がありません、今後の動向を踏まえ慎重に対応する必要があります。

 

 

3.手術室にて使われる仮想MPR画像

田辺中央病院 中島 智也氏

田辺中央病院では近年、脊椎の広範囲の固定術では脊椎ナビゲータという仮想MPR画像を見ながら、脊椎に固定用のボルトを挿入している。この装置はMedtronic StealthStation TRIA plusで、同様の機種で他社製のも含めると全国に700台は稼働しているとのこと。3TMR装置より普及していることになるが、我々診療放射線技師は、イメージ(透視)を行わないので、その現場に立ち会うことはないので、これを目にした方は少ないと思われる。そこで今回、紹介することにしました。

手術前に椎体のCTを撮像しておき、DICOMデータとしてCD-Rに焼きつけたものをこの装置に取り込む。手術時に脊椎につなげた認識用プレートをこの装置の3Dカメラで認識すると、画面に表示された椎体のMPR像とVR3D)像が実椎体とリンクするようになる。固定用ボルトを椎体に埋め込むドライバーにも認識用プレートが付いており、これも3Dカメラで認識すると、画面上のMPR像とVR像にボルトがどの角度で、どの位置まで埋め込まれて行ったのかリアルタイムに確認できる。MPR像にてこのボルトの埋め込み角度を正確に確認しながらドライバーをまわす要領である。会場では手術時の様子を撮影した動画を中心に説明がなされた。

この装置を用いると、透視イメージを使用しないため、開創部が広範囲になる場合の感染の可能性を低くすることができ、透視の被ばくもない。しかし、操作が難しく、(田辺中央病院では年間数例程度の使用件数なので)現状では使用するたびに業者に来てもらい、操作してもらっているとのことでした。

 

 

4.痔ろうの進展様式の性差について

洛和会音羽病院 林 浩二氏

 音羽病院では痔ろうの進展範囲、経路をMRIで確認を行われている。これは術前検査の1つである。そのため、術中体位となるべく同じ体位になるように撮像を試み工夫されている。体位は腹臥位で骨盤部にウレタン性枕を敷き、お尻が持ち上げられた状態で肛門を開けるため左右お尻をテープで固定されている。画像はT2強調画像とT2脂肪抑制画像をどちらもAxial像とCoronal像を撮像されている。痔ろうはHerrmann線を境に肛門腺から細菌が入り感染し、進展していきます。ここでAxial像を見て(肛門を円形状に連続に撮像したものを見て)恥骨(腹側)に一番近い所を始点として0時から時計周りに6時の方向は尾骨(背面側)に一番近い所(0時の反対側)とし12時までの方向で示す。今回の結果では、男性のほとんどが6時の方向に後方の内外肛門括約筋経路に進展していきます。それに比べ女性は2時から3時の方向にほとんど進展していきます。この違いは、女性の場合は浅会陰横筋、球海線体筋経路に容易に進展していくからです。そのため2時や10時の方向に進展し易い。

 

 

5.京都府地域における医療施設の放射線管理状況(アンケート調査報告)

管理士会(公立南丹病院) 山根 稔教氏

 

 京都府放射線技師会員が所属する132施設を対象にアンケート調査を行い、75施設の回答をもとに以下の5点について報告されました。

1)放射線管理業務については診療放射線技師(以下技師)が96%関与し、明文化している施設は37%に留まった。

2)漏洩線量測定の実施については、技師が42%、業者が32%、技師と業者が25%測定していた。88%の施設が6ヶ月以内の測定サイクルで測定していた。

3)放射線業務従事者の被曝管理については、技師が78%、事務員が15%、医師が4%となった。個人モニタは90%が1ヶ月以内で交換され線量評価がされていたが、モニタは装着されてるが、評価されていないが4%あった。放射線防具の点検がされていない施設が72%と関心の低さが目立った。

4)放射線業務従事者の教育訓練については、40%の施設で行われており、61%の施設で技師が担当していた。

5)検査の被曝線量については、放射線出力測定を定期的に実施していない施設は59%と半数を占めた。

医療被曝低減を目的としたマニュアルを作成している施設は11%、作成していない施設は89%であった。医療被曝ガイドライン値を参考している施設が53%、していない施設が44%であった。被曝線量の患者説明については、資料の使用などで理解度の高まる方法が良いと考える。

 


京都府放射線技師会 | 学術 | 00:22 | comments(0) | - | - |
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