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京都医療科学大学 演題抄録

GM計数装置の作製
京都医療科学大学 学生
長谷川嵩晃、村上慎哉、平川和樹 (はせがわ たかあき むらかみ しんや ひらかわ かずき)
京都医療科学大学
西谷源展
 
東日本大震災による東京電力福島原子力発電所の事故以来、放射線・放射能に対する報道が増加している。さらに事故の影響を調べるために放射線・放射能の測定が多方面で行われるようになっている。また、一般の人たちの中でこれらの影響を危惧する人々は自ら放射線測定機器を購入して測定している状況にある。放射線測定器は一般には高価であるが、この中でGM管を使用したものは比較的安価である。GM管式測定装置はGM管の出力が大きいために測定回路が比較的に簡便に作成することができる。
今回、GM管以外の部品について市販の安価な材料を利用して測定装置を作成した。作成したGM計数装置の特性等を検討した。その結果、製作費用約5000円と比較的安価で、GM計数装置を簡便に作ることができ、十分な性能を持つことが確認できた。
これにより、簡便性・価格・安全性の面で学校教育において普及させやすく、一般的な理科実験を通じて、放射線・放射能に対する認識と理解が深まる効果が期待できる。また、診療放射線技師教育においては、これらの実験を通して、GM計数装置の測定回路やGM管の特性などの理解をさらに深化させることができる。さらに一般の人々にとって、GM計数装置を作成することにより、自然の放射線・放射能の測定が簡便にできる。これらを学校教育において普及させれば、より放射線・放射能に対する認識と理解が深まる効果が期待できる。
 
ウェッジフィルタの性能比較
京都医療科学大学 学生
藤木章吾、矢野隆祐、柴崎徹朗、宮下聖哲(ふじき しょうご やの りゅうすけ しばさき てつろう みやした まなめ)
放射線治療の場で標的内の線量分布を平坦化するためにはウェッジフィルタを使用している。ウェッジフィルタはくさび形をして照射装置に付けて用いるくさびウェッジと、照射中にjawやマルチリーフコリメータを動かすことにより線量分布を作成するバーチャルウェッジとがある。
本研究ではこれらのウェッジフィルタの性能評価を行った。くさびウェッジではビームハードニング効果による深部線量率の変化、および皮膚等の表面保護効果を種々の条件において測定を行った。バーチャルウェッジにおいては理論的には照射時間の短縮が期待されているが実際にはどの程度短縮可能なのかを測定した。
 測定の結果、くさびウェッジを用いたビームハードニング効果における深部線量率の変化は、フィルタ角度15°と45°の比較で20cm深において約2%の変化が見られた。表面保護効果においてはフィルタ未使用時と使用時では明確な線量の違いが見られ、低エネルギーの散乱線がカットされたことが分かった。
バーチャルウェッジの照射時間についてはフィルタ角度、MU値が大きくなるにつれて照射時間は長くなった。またバーチャルウェッジとくさびウェッジを比較したところ、フィルタ角度およびMU値が大きくなるとバーチャルウェッジのほうが最大で230秒ほど短縮され、時間優位性が顕著に見られた。バーチャルウェッジは臨床現場ではあまり用いられていないが、この照射時間の短縮は非常に魅力的であると考えられる。
 
線量計校正のための実効エネルギーの作成
京都医療科学大学 学生
小西真未、山崎昌弥(こにし まみ やまさき まさや)
京都医療科学大学
西谷源展
放射線量計測に利用されている線量計は校正が必要である。校正は国家標準と比較することで校正係数として求められる。線量計は国家標準とトレーサビリティが保有されていることが重要である。
線量計を校正する場合、診断用X線は連続スペクトルであるため実効エネルギーが必要となる。実効エネルギーは第一半価層から求められ、JIS規格等で校正における線質表示は実効エネルギー及び線質指標(QI)をあわせて表示することになっている。
サーベイメータの校正では使用したX線のエネルギーを使って空気カーマ(Gy)から実効線量(Sv)へ換算している。これに必要な換算係数(Sv/Gy)はJIS Z4511『照射線量測定器、空気カーマ測定器、空気吸収線量測定器及び線量当量測定器の校正方法』に「場所にかかわる1cm線量当量」として示されている。換算係数は、診断領域X線エネルギーである3050keVで急激に変化している。
本研究の目的は、QIを一定に保ち実効エネルギーと付加フィルタの関係をグラフとして求め、3050keVの範囲のあらゆる実効エネルギーに対応する付加フィルタの厚さを算出する数式を導き出し、その数式より算出された付加フィルタの厚さを実際に求め、必要な実効エネルギーが得られるかを検証した。結果、数式y=0.0025x2+0.1347x-3.8977が得られ3050keVの範囲で自由に実効エネルギーが設定できるようになり、より正確な線量測定に寄与することができると考えられる。


疑似カラー画像の液晶モニタ表示における人の色差弁別能について
Human color sensitivities for the pseudo-color images displayed on the LCD monitor
京都医療科学大学  学生
東儀 尚樹、原田 良祐、坂口翔一、谷口 実(とうぎ なおき はらだ りょうすけ さかぐち しょういち たにぐち みのる)
京都医療科学大学
細羽 実
核医学検査などにおける医用疑似カラー画像表示においては一貫性を確保する規格が十分な普及をみていない。カラー画像の表示には環境光、モニタの種類、輝度、観察者、読影角度などが影響するため、一貫性を確保するにはこれらの考慮が必要である。本発表では,液晶モニタにおける観察者の色の見え方(色差弁別能)を明らかにすることで、医用カラー画像の一貫性を確保するレベルについて検討する。
高精細液晶カラーモニタ(ColorEdge CG243W)をsRGB規格でキャリブレーションし、色彩輝度計(KONICA MINOLTA CS200)でモニタのu’,v’色度、輝度値を測定する。暗室の状態で、人の目の視野角を10°になるように被験者とモニタの距離を設定する。カラーパターン(Rainbow color pallet)を被験者(男女28名平均21歳)に提示し、基準色(青、緑、黄、赤)からの変化が認識できたステップを記録する。Rainbow colorの色度(u’,v’)を暗室、20lx,400lxの環境光下で測定し比較する。弁別できたステップ数を色度値に変換し、色度差を算出する。
疑似カラー画像を液晶モニタで表示すると、人の色差弁別能は暖色より寒色の方が高い。また、色度差だけでなく輝度差も影響している。また、環境光は明るいほどモニタのカラー表示に影響を与える。従って、できる限り調光された部屋で十分なモニタ輝度で読影するのが望ましい。

 

 
京都府放射線技師会 | 学術 | 23:11 | comments(0) | - | - |
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