第554回研修会のお知らせ

学術委員会 原口 隆志
下記の日程により、テーマ発表とともに、若手と学生による発表の場を企画いたしております。
ご多忙のこととは存じますが、多くのご参加をお待ち申し上げます。

日時:平成2688日(金) 1830分〜
場所:京都アスニー 第3研修室
会費:無料(技師会会員及び学生)、非会員500
 
「放射線検査説明についての調査」                          公立南丹病院 山根 稔教氏
 
学生演題:(すべて京都医療科学大学学生)
GM計数装置の作製」                                          長谷川嵩晃、村上慎哉、平川和樹
「ウェッジフィルタの性能比較」      藤木章吾、矢野隆祐、柴崎徹朗、宮下聖哲
「線量計校正のための実効エネルギーの作成」                  小西真未、山崎昌弥
「疑似カラー画像の液晶モニタ表示における人の色差弁別能について」
                                                                                  東儀尚樹、原田良祐、坂口翔一、谷口実
社会ポイント対象となりますのでJART会員カードをお忘れなく。
以上
 
京都府放射線技師会 | 学術 | 00:38 | comments(0) | - | - |

京都医療科学大学 演題抄録

GM計数装置の作製
京都医療科学大学 学生
長谷川嵩晃、村上慎哉、平川和樹 (はせがわ たかあき むらかみ しんや ひらかわ かずき)
京都医療科学大学
西谷源展
 
東日本大震災による東京電力福島原子力発電所の事故以来、放射線・放射能に対する報道が増加している。さらに事故の影響を調べるために放射線・放射能の測定が多方面で行われるようになっている。また、一般の人たちの中でこれらの影響を危惧する人々は自ら放射線測定機器を購入して測定している状況にある。放射線測定器は一般には高価であるが、この中でGM管を使用したものは比較的安価である。GM管式測定装置はGM管の出力が大きいために測定回路が比較的に簡便に作成することができる。
今回、GM管以外の部品について市販の安価な材料を利用して測定装置を作成した。作成したGM計数装置の特性等を検討した。その結果、製作費用約5000円と比較的安価で、GM計数装置を簡便に作ることができ、十分な性能を持つことが確認できた。
これにより、簡便性・価格・安全性の面で学校教育において普及させやすく、一般的な理科実験を通じて、放射線・放射能に対する認識と理解が深まる効果が期待できる。また、診療放射線技師教育においては、これらの実験を通して、GM計数装置の測定回路やGM管の特性などの理解をさらに深化させることができる。さらに一般の人々にとって、GM計数装置を作成することにより、自然の放射線・放射能の測定が簡便にできる。これらを学校教育において普及させれば、より放射線・放射能に対する認識と理解が深まる効果が期待できる。
 
ウェッジフィルタの性能比較
京都医療科学大学 学生
藤木章吾、矢野隆祐、柴崎徹朗、宮下聖哲(ふじき しょうご やの りゅうすけ しばさき てつろう みやした まなめ)
放射線治療の場で標的内の線量分布を平坦化するためにはウェッジフィルタを使用している。ウェッジフィルタはくさび形をして照射装置に付けて用いるくさびウェッジと、照射中にjawやマルチリーフコリメータを動かすことにより線量分布を作成するバーチャルウェッジとがある。
本研究ではこれらのウェッジフィルタの性能評価を行った。くさびウェッジではビームハードニング効果による深部線量率の変化、および皮膚等の表面保護効果を種々の条件において測定を行った。バーチャルウェッジにおいては理論的には照射時間の短縮が期待されているが実際にはどの程度短縮可能なのかを測定した。
 測定の結果、くさびウェッジを用いたビームハードニング効果における深部線量率の変化は、フィルタ角度15°と45°の比較で20cm深において約2%の変化が見られた。表面保護効果においてはフィルタ未使用時と使用時では明確な線量の違いが見られ、低エネルギーの散乱線がカットされたことが分かった。
バーチャルウェッジの照射時間についてはフィルタ角度、MU値が大きくなるにつれて照射時間は長くなった。またバーチャルウェッジとくさびウェッジを比較したところ、フィルタ角度およびMU値が大きくなるとバーチャルウェッジのほうが最大で230秒ほど短縮され、時間優位性が顕著に見られた。バーチャルウェッジは臨床現場ではあまり用いられていないが、この照射時間の短縮は非常に魅力的であると考えられる。
 
線量計校正のための実効エネルギーの作成
京都医療科学大学 学生
小西真未、山崎昌弥(こにし まみ やまさき まさや)
京都医療科学大学
西谷源展
放射線量計測に利用されている線量計は校正が必要である。校正は国家標準と比較することで校正係数として求められる。線量計は国家標準とトレーサビリティが保有されていることが重要である。
線量計を校正する場合、診断用X線は連続スペクトルであるため実効エネルギーが必要となる。実効エネルギーは第一半価層から求められ、JIS規格等で校正における線質表示は実効エネルギー及び線質指標(QI)をあわせて表示することになっている。
サーベイメータの校正では使用したX線のエネルギーを使って空気カーマ(Gy)から実効線量(Sv)へ換算している。これに必要な換算係数(Sv/Gy)はJIS Z4511『照射線量測定器、空気カーマ測定器、空気吸収線量測定器及び線量当量測定器の校正方法』に「場所にかかわる1cm線量当量」として示されている。換算係数は、診断領域X線エネルギーである3050keVで急激に変化している。
本研究の目的は、QIを一定に保ち実効エネルギーと付加フィルタの関係をグラフとして求め、3050keVの範囲のあらゆる実効エネルギーに対応する付加フィルタの厚さを算出する数式を導き出し、その数式より算出された付加フィルタの厚さを実際に求め、必要な実効エネルギーが得られるかを検証した。結果、数式y=0.0025x2+0.1347x-3.8977が得られ3050keVの範囲で自由に実効エネルギーが設定できるようになり、より正確な線量測定に寄与することができると考えられる。


疑似カラー画像の液晶モニタ表示における人の色差弁別能について
Human color sensitivities for the pseudo-color images displayed on the LCD monitor
京都医療科学大学  学生
東儀 尚樹、原田 良祐、坂口翔一、谷口 実(とうぎ なおき はらだ りょうすけ さかぐち しょういち たにぐち みのる)
京都医療科学大学
細羽 実
核医学検査などにおける医用疑似カラー画像表示においては一貫性を確保する規格が十分な普及をみていない。カラー画像の表示には環境光、モニタの種類、輝度、観察者、読影角度などが影響するため、一貫性を確保するにはこれらの考慮が必要である。本発表では,液晶モニタにおける観察者の色の見え方(色差弁別能)を明らかにすることで、医用カラー画像の一貫性を確保するレベルについて検討する。
高精細液晶カラーモニタ(ColorEdge CG243W)をsRGB規格でキャリブレーションし、色彩輝度計(KONICA MINOLTA CS200)でモニタのu’,v’色度、輝度値を測定する。暗室の状態で、人の目の視野角を10°になるように被験者とモニタの距離を設定する。カラーパターン(Rainbow color pallet)を被験者(男女28名平均21歳)に提示し、基準色(青、緑、黄、赤)からの変化が認識できたステップを記録する。Rainbow colorの色度(u’,v’)を暗室、20lx,400lxの環境光下で測定し比較する。弁別できたステップ数を色度値に変換し、色度差を算出する。
疑似カラー画像を液晶モニタで表示すると、人の色差弁別能は暖色より寒色の方が高い。また、色度差だけでなく輝度差も影響している。また、環境光は明るいほどモニタのカラー表示に影響を与える。従って、できる限り調光された部屋で十分なモニタ輝度で読影するのが望ましい。

 

 
京都府放射線技師会 | 学術 | 23:11 | comments(0) | - | - |

8月(第554回)研修会のお知らせ と 演題募集

8月(第554回)研修会のお知らせ

 今回、下記の日程により、テーマ発表とともに、若手と学生による発表の場を企画いたしております。
会員の皆様におきましてご多忙のこととは存じますが、多くのご参加をお待ち申し上げます。

日時:2014年8月8日(金) 18時30分〜
場所:京都アスニー 第3研修室
会費:無料(技師会会員及び学生) 非会員500円

予定内容:
テーマ発表:「放射線検査説明についての調査」
                 公立南丹病院 山根稔教氏
    演題発表:調整中


尚、社会ポイント対象となりますので、カードをお忘れなく。ベーシック申請がまだの会員は速めに申請のほうよろしくお願いします。


主 催:社団法人京都府放射線技師会
   連絡先:社団法人京都府放射線技師会学術担当 原口 隆志


第554回研修会予告及び演題募集の案内

 平素は、京放技活動にご協力いただきありがとうございます。
 今年度も、学生も含め、新人技師や、あまり普段人前で発表する機会のない技師の方等を対象に研修会を開催したいと思います。卒後3〜5年くらいまでの方を中心に演題を募集致します。尚、それ以上の方でもかまいませんので、応募をお待ちしています。
 演題内容は何でも構いません、自己紹介や施設紹介、今やっている検査、研究途中やこれから学会等に発表しようとしている題材、是非この機会を利用して発表の場に慣れてもらいたいと思っております。発表形式は、10分程度のスライドでの口述による発表でお願い致します。

予定
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日時: 平成26年8月8日(金) 18時30分〜
予定会場:京都アスニー 第3研修室
演題募集締め切り:平成25年7月25日 
発表者氏名、勤務先、演題名を下記の連絡先にご連絡下さい。
 
京都府放射線技師会 | 学術 | 02:10 | comments(0) | - | - |

診療放射線技師のためのフレッシャーズセミナー開催のお知らせ

京都府放射線技師会では、日本診療放射線技師会と共催で新人診療放射線技師を対象とした入会促進事業「診療放射線技師のためのフレッシャーズセミナー」を開催いたします。
このセミナーでは、社会人として身につけるべきマナー、接遇、医療安全や感染に関する対策、胸部撮影で非常に重要となる気管支解剖の講義など、経験年数の浅い診療放射線技師の方にも適した講座をおこないます。今年卒業された新採用の皆さまのみならず、卒後数年の診療放射線技師も含めたセミナーです。この機会に是非、職場の未入会の方々にもご参加を後押しして頂ければ幸いです。
前ページにある案内の全地区委員会・第553回研修会と別部屋で並行開催します。
尚、新卒受講者については、粗品を謹呈します。
 
【受講対象】 新卒ならびに既卒未入会者を主に対象としていますが、卒後数年の診療放射線技師からベテランまでどなたでも参加していただけます。
【参加費】 無料(技師会会員・非会員共に)
【開催場所】 セントノーム京都
【開催日時】 平成26712日(土)1430
【セミナープログラム予定】
1430 1440   開会挨拶
1440 1510   エチケットマナー講座
1510 1600   感染対策講座
1610 1700   医療安全講座
1710 1800   気管支解剖講座
1800 1820   入会案内
1820 1830   閉会挨拶
 
京都府放射線技師会 | 学術 | 01:25 | comments(0) | - | - |

平成26年7月12日(土) フレッシャーズセミナー開催のお知らせ

京都府放射線技師会では、日本診療放射線技師会と共催で新人診療放射線技師を対象とした入会促進事業「診療放射線技師のためのフレッシャーズセミナー」を開催いたします。
このセミナーでは、社会人として身につけるべきマナー、接遇、医療安全や感染に関する対策、胸部撮影で非常に重要となる気管支解剖の講義など、経験年数の浅い診療放射線技師の方にも適した講座をおこないます。今年卒業された新採用の皆さまのみならず、卒後数年の診療放射線技師も含めたセミナーです。この機会に是非、職場の未入会の方々にもご参加を後押しして頂ければ幸いです。
前ページにある案内の全地区委員会・第553回研修会と別部屋で並行開催します。
尚、新卒受講者については、粗品を謹呈します。

【受講対象】 新卒ならびに既卒未入会者を主に対象としていますが、卒後数年の診療放射線技師からベテランまでどなたでも参加していただけます。

【参加費】 無料(技師会会員・非会員共に)
【開催場所】 セントノーム京都
【開催日時】 平成26年7月12日(土)14:30〜

【セミナープログラム予定】
14:30 〜 14:40 開会挨拶
14:40 〜 15:10 エチケットマナー講座
15:10 〜 16:00 感染対策講座
16:10 〜 17:00 医療安全講座
17:10 〜 18:00 気管支解剖講座
18:00 〜 18:20 入会案内
18:20 〜 18:30 閉会挨拶
【申し込み方法】
申し込みは「フレッシャーズセミナー受講希望」と記載の上、氏名、所属、連絡先電話番号、卒業年度、技師会会員は会員番号を明記うえ、下記へメール又はFaxにてお願いします。
(公社)京都府放射線技師会メールアドレス:kyohogi@mbox.kyoto-inet.or.jp
 Tel & Fax:075-802-0082
【定員】 先着50名(人数に達した場合には締切させて頂きます)
【申込締め切り】 平成26年6月25日(水)必着
問合せ:(公社)京都府放射線技師会事務所TEL075-802-0082
京都府放射線技師会学術担当 原口 隆志(宇治武田病院放射線科 0774-25-2578)

京都府放射線技師会 | 学術 | 00:05 | comments(0) | - | - |

平成26年7月12日(土) 第553 回研修会のお知らせ

日時:平成26 年7 月12 日(土)
場所:ホテルセントノーム京都 京都市南区東九条東山王町19-1 Tel 075-682-8788

17:00 〜
会員:無料(非会員500 円、フレッシュ診療放射線技師の集い参加者と学生は無料)

今回は診療報酬改定と費用対効果という考え方と機器の適正配置の影響に視点を置き、厚生労働省の動向についてご講演をお願いしています。

特別講演:「診療報酬改定による今後の画像診断・放射線治療の評価課題とは」
(公社)日本画像医療システム工業会法規経済部会長 野口 雄司 先生
京都府放射線技師会 | 学術 | 23:32 | comments(0) | - | - |

第551回研修会報告

 学術委員会 原口 隆志
平成25年7月26日に第551回研修会を開催しました。今回は京都医療科学大学の学生による発表と、現役放射線技師による現場の業務改善の取り組みを紹介していただきました。

1.「南丹市自然放射能量の分布図の作成」
飯塚崇文・岩崎大輔・長野祐馬・山方亨介
福島第一原子力発電所事故以降、全国の原子力発電所の運転を停止させたが、福井県にある大飯原発だけ再稼働し、高浜原発についても議論されている。福井県に存在する原子力発電所の事故を想定した場合、事故後の状況と比較できる平常時の状態での放射線量及び放射能量を把握しておくことが重要であると考えた。そこで本学が所在している南丹市の協力の下、市内18ヶ所に調査地点を設定し平常時の環境放射線量及び放射能量の分布図の作成を行い、それらの地点で空間線量率の測定、地面からのガンマ線線量率の測定と土壌中の放射性物質の分析を行った。空間線量率の測定は、可搬型モニタリングポスト(ALOKA)を用いた。結果、南丹市の空間線量率は55〜88 nSv/hと調査地点によって大きな差は見られなかった。地面からのガンマ線線量率をサーベイメータ(富士電気システムズ株式会社)で測定し平均を求めたところ、本学でのガンマ線線量率の日周変動とともに、同じ地点でもかなり変動することが分かった。土壌サンプルの放射能量測定及び分析は、Ge半導体型検出器 GMX型 (セイコー・イージーアンドジー株式会社)で測定した。それぞれの地点で検出されたものは主に自然放射性核種である40Kやウラン系列、トリウム系列、アクチニウム系列の核種であった。

2.「子宮頸癌への小線源治療時における膀胱充満度と膀胱壁の線量の関係について」
船曳政史・棚田康友・神守悠介・赤塚大輔・香西啓久
近年、日本における若年層の女性の子宮頸癌は増加傾向にあり、20代から30代に多く発症している。子宮頸がんの治療法には、主に手術療法、放射線治療、化学療法があり、がんの進み具合やがんの部位、年齢、合併症の有無などによって治療法が決定される。その中の腔内照射は、子宮内に治療用器具を挿入し、子宮の中から放射線治療を行う方法である。病巣近くにたくさんの放射線をあてることができるため、直腸や膀胱などへの影響を少なくすることができる。子宮頸がん腔内照射技術について、腔内照射前に膀胱内に生理食塩水を100cc注入すると膀胱が膨らみ腹側の膀胱表面や消化管の線量を減らすことができるという研究結果があることから、子宮頚癌のリスク臓器である膀胱を研究テーマとして、計算アルゴリズム(モンテカルロシミュレーション法)を利用したEGS5を用いて腔内照射における膀胱の線量分布をシミュレーションし、尿量による膀胱壁の位置や厚さの違いから膀胱壁の吸収線量の変化を検討した。
蓄尿が多くなると膀胱表面が線源から近くなることや表面積が増えることにより、蓄尿するにしたがって膀胱壁の吸収線量が増加してしまう。尿意が200mlで生じることや小線源治療全体では体位保持に60分程度時間がかかることから、あまり尿量を増やせないと考えられる。

3.「放射線によるDNA損傷に関する研究」
田中景子
放射線被ばくは、医学目的の利用であっても極力避けなければならない。人体に対する放射線の負の影響を軽減するには、被ばくの低減化の他、放射線防護剤や放射線増感剤を利用する方法がある。しかし、利用可能なこれらの薬剤は未だごく少数で、その利用範囲は限られたものであることから、有効かつ安全な薬剤の開発が求められている。
そこで、新たな放射線防護剤や放射線増感剤の研究開発を目的として、DNAに対する放射線の影響に関する基礎的検討を行った。実験には、DNAとしてプラスミドDNAを用い、種々の条件下でDNAをX線照射した。照射後のDNAはアガロースゲル電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色後、紫外線照射下で撮像した。X線によるDNA損傷の程度は、無傷のスーパーコイル状DNAのバンド強度を数値化し、その減少程度を基にして評価した。この実験系を用いることにより、DNA損傷に影響する因子や抗酸化剤・ラジカルスカベンジャーの効果に関するいくつかの知見を得た。

4.「X線エネルギーによるデジタル画像(量子化)の限界を探る」
井上真実・金子実佳・宍道知佳・小田敍弘
従来から胸部撮影に使用されているアナログ画像(増感紙/フィルム系)は、撮影管電圧120kV〜140kVを用いて画像コントラストを低下させる高電圧撮影が行われている。特に肺野や縦隔部および骨と脂肪組織とのコントラスト低下は、診断域を拡大し、肺野や縦隔部および骨に重なった血管や病変の診断に有利となる。しかし高電圧撮影は、散乱X線が多く含まれ散乱X線除去用グリッドを用いても画質は低下する。この両者の特徴を持つ線質効果は、「トレードオ

フ」の関係として知られている。
CRシステムは線量、線質が変化しても正規化処理(読み取り感度(S値)および読み取りラチチュード(L値)を変化させること)で常に一定の画像コントラストを保つことができる。
本研究では、胸部人体ファントムを用いてX線エネルギーを変化させて胸部CR撮影を行い、高電圧撮影をしなくても画像コントラストを抑え、散乱X線が少ないX線エネルギーを考察した。具体的には、管電圧70〜140kV、付加フィルタ0.1mm、0.2mm、0.4mm厚を用いた線質の変化による画像コントラストは、0.1以内で写真濃度の差が小さい。撮影時間を考慮して、高電圧撮影140kVよりも低い管電圧80〜100kV、0.1mm〜0.2mm厚さ銅付加フィルタの使用においても、画像コントラストはコントロールできることを証明した。高電圧撮影の線質効果(診断域の確保と画質低下)は、「トレードオフ」の関係があるが、本研究の成果(診断域の確保と画質向上)から臨床応用が期待される。

5.「3Dマンモグラフィにおける最適化および立体空間の解明」
押川千恵・田中和子・南さくら・横井萌子・小田敍弘
近年、ステレオ撮影による3Dマンモグラフィが臨床応用されている。ステレオ画像は、乳腺と重なった淡い病変の視認性が向上すること、腫瘤の内部構造や石灰化の分布の情報が増えることにより、腫瘤や石灰化の良悪性鑑別の診断が容易となることなどが報告されている。
本研究では、両眼視差の特性を利用した立体視の3Dステレオ撮影を行い、2D画像では得られなかった奥行き情報を正確に把握し、適正なステレオ角度や3Dマンモグラフィの有用性および被曝線量の最適化について検討した。
その結果、専用の観察器を使用しない裸眼による立体視のステレオ角度は、ゼロ度の基準角度に対して6度に傾けた撮影が適正な3Dマンモグラフィを得ることがわかった。
ステレオ撮影は2枚の画像を用いるため、被ばく線量は2倍(200%)に増加することが懸念される。本研究では通常線量の画像と低線量画像のステレオを作成しても、人の脳の中では通常線量画像が優先される視覚システムがあることに着目して、X線の被ばく低減を検討した。被ばく線量の最適化は、相対的撮影線量80%と50%によるステレオ撮影(130%撮影)であった。人間の視覚特性を利用したこの線量は2画像200%撮影に比べて70%の被ばく低減が可能である。
最後に裸眼による立体視の3Dマンモグラフィの有用性は、日本人に多いデンスブレスト(乳腺密度が高い乳房)でも、デンス内部の診断が容易となることが期待される。


教育講演「標準化への取り組み」
 独立行政法人国立病院機構京都医療センター 医療技術部放射線科 大西 孝志氏

医療現場で標準化は安全確保の重要な手段のひとつとして考えられている。現在は、一般撮影において撮影方法は確立してはいるが、種々の参考書を見てみると、それぞれ微妙に記述の違いがある。そこで当院では一般撮影法の標準化を試み、今回はそのなかから膝関節と股関節の撮影法をご紹介します。
標準化とは、判断の拠り所や行動の目安になるものを設け、それに従って統一することとあるので、標準化の第一段階としてマニュアルの作成を行った。昔のアナログ時代でのマニュアルは、撮影条件、現像方法、そして撮影方法となっていた。デジタル時代である現在では簡単に過去画像と比較できたり、リハビリ関係等の他職種の方も画像を見たりするので、再現性の重要度が求められている。

膝関節正面の位置付けとX線入射位置について、複数の参考書を比較してみてもそれぞれ記載が異なっている。脛骨前縁の角度が参考書により10°〜13°と異なっている。被検者が座位か臥位かによっても膝の角度は変わり、位置付けする術者によっても測定する膝の角度がまちまちである。結果、被検者が座位で膝を進展している状態を膝正面の位置付けとしました。関節間隙を抽出するには入射X線束を尾頭方向に7°傾けるべきですが、関節間隙を観察するのは立位撮影が適切であるので、臥位での撮影では、関節間隙抽出よりも再現性の担保のために、垂直の入射としました。正面性の指標は膝蓋骨が内外顆の中心に位置しているのが参考書の解説ですが、膝蓋骨は可動性があり、位置が一定していません。なので、顆間窩腔が左右対称の山型に抽出されていることが正面性の指標としました。そのために撮影時には、大腿骨の外側上顆と内側上顆が同じ高さになるように体位付けます。
膝関節の側面に関しては、大腿骨の内外顆の後縁の重なりが5mm以内にするようにしていま
す。その他の条件として、膝蓋大腿関節が広く、膝蓋骨は接線状に、大腿脛骨関節腔が顆間隆起部を除いて広く抽出されている、こととしています。

膝関節軸位撮影の合格基準として、膝蓋大腿関節腔間隙が均等に広く投影されており、膝蓋骨が軸位像であること、としました。
股関節の撮影法に関しては10種類ほどありますが、一般的には正面とラウエンシュタインI法が多く用いられているのではないでしょうか。
股関節の撮影で実際に触れることのできる部位は、仙骨、坐骨、恥骨、恥骨結合、尾骨、上前腸骨棘、大転子があります。左右の上前腸骨棘と大転子の中点を結ぶ線の中心部が股関節の高さと一致しますので、ここをX線束の入射点とします。下肢の体位としては、大転子を触れた状態で下肢を外旋から内旋させていき、大転子が一番大きくなった状態で撮影する、こととしています。ラウエンシュタインI法としては、骨盤を45°横に傾けた状態で、大腿下に補助具を入れて外転しすぎないようにしています。
位置付け以外の取決めとしては、撮影前に被験者自ら名前を名乗っていただくようにしています。複数部位の撮影に関しては、胸部、腹部、脊椎、というように画像サーバーに送信する順番を決め、さらに同一部位に関しても、正面、斜位、側面と、送信の順番が決まっています。頸椎に関しては撮影順が側面より行い、その画像から正面の管球振り角(ルシュカ関節に合わせる)を決定しています。再現性の確保のために、過去画像がある場合には、必ず確認するようにし、撮影マニュアルに沿わなかった撮影に関しては、画像にコメントとして記載しているので、それを確認してから撮影を行います。
京都医療センターでは「伏水塾」として今回ご紹介したような取り組みについて、時には他部署も交えての勉強会を開催しています。伏水塾は他施設の方でも参加可能ですので、私までご連絡いただければ、開催をお知らせいたしますので、皆様もどうぞご参加ください。

京都府放射線技師会 | 学術 | 00:36 | comments(0) | - | - |

第550回研修会報告

 学術委員会 原口 隆志


平成25年6月22日にホテルセントノーム京都で、全地区委員会に引き続き第550回研修会を開催しました。


「高精度X線装置による電離箱式サーベイメータの校正」
京都医療科学大学4回生 朝野 聡明、大北 哲也、楠 聡介
京都府内の技師会会員が所属している施設に電離箱式サーベイメータの校正時期等をアンケート調査した。その結果、3年以内に校正を行っている施設は47%と約半数しかなかった。
国が産業技術研究所(産総研)で保有する標準線量計で校正された特定二次標準器により校正された線量計を基準線量計とする。このように元をたどれば国家標準とつながっていることをトレーサビリティという。
本大学には産総研と同性能のX線発生装置TAITAN225S(GE社製)を保有しており、これを使用して臨床の現場で使用されている電離箱式サーベイメータの校正を行い、その特徴も調べた。
大学のX線発生装置と基準線量計は管電流と管電圧を変化させた2種類の条件で複数回計測しても変動係数は最大0.14%であり、JIS規格の5%以下の条件を満たしていた。また、計測距離を変化させてもエネルギーに差は見られなかった。
以上の結果を基に京都府内の放射線技師会会員所属施設より集めた63台の電離箱式サーベイメータの校正を行った。さらに、サーベイメータの製造会社ごとの特徴や違いを調べた。
それぞれの線量計の校正係数の分布より、Aloka社の線量計は校正係数1.0近辺に多くの分布を持っているが、他の会社毎ではばらつきがみられた。さらに基準線量に近似した値を示すものが少ないことがわかった。同じ製造会社、同じ形式のサーベイメータを用いても製造番号ごとで異なる校正係数を示すので、サーベイメータごとの校正が定期的に必要であると考えられる。


「富士フイルムデジタルマンモグラフィシステムAMULETについて」
富士フイルムメディカル(株)大島 裕二氏
平成22年の時点でマンモ撮影はCRが68%、FPDが15%、アナログが17%とCRの普及が突出している。デジタル装置では石灰化の見え方が装置の性能により異なり、画像処理によっても同じである。富士フィルムはCR時代よりさまざまな画像処理を搭載し、最新のW階調は乳腺と脂肪領域のバランスを最適化した画像処理である。DR用として新たに「ダイナミックビジュアル処理」、「乳腺コントラスト調整処理」、「EDR ADVANCE」を加え、モニター診断に最適なソフトコピー画像処理を行っています。「モニター診断向けに収録データをフルレンジで出力している」、「モニター表示に最適な新階調カーブを開発」、「乳腺濃度が大胸筋に影響されることなく、適切な濃度を表現する」、「様々な乳房構成の乳腺コントラストを最適化し、高濃度乳腺画像を高いコントラストで観察できる」といったモニター診断に最適な画像処理技術を富士フィルムは開発しています。
AMULETは世界最小の50μmサンプリングを可能にしたDRマンモグラフィ装置です。直接変換方式のアモルファスセレン(a-Se)層の下にa-Seを使用した新たなスイッチング方式を開発しました。これにより同じ50μm解像度でもCRよりもFPDでは明らかに石灰化が見やすくなっています。撮像時の受診者環境も考慮されており、「受診者に力が入りすぎないCC撮影時のグリップハンドル位置」、「アームレスト機能がMLOポジションを適切にサポート」、「撮影部角を先細り形状にして脇部の痛みを軽減」、「胸壁・腋窩パットにより痛み・冷たさ軽減」という女性に優しいエルゴノミクスデザインを採用し、装置の模様も5種類から選べるようになっている。
日常管理のQCツールもシステムの一部として販売されており、1shotでIEC、EUREF規格に準じた定量的な画質性能計算・結果の表示と管理が可能です。
マンモグラフィCADにも対応しており、腫瘤・石灰化候補の検出が可能です。また、3Dマンモグラフィやトモシンセシスにも対応しています。


以上、医療科学大学と技師会との合同での事業の報告・DRマンモグラフィ装置の最新情報の報告となりました、
今後も会員の皆様に役立つような研修会を企画していきますので多くの参加をお待ちしています。

京都府放射線技師会 | 学術 | 23:57 | comments(0) | - | - |

平成25年度両丹地区春季研修会報告

 両丹地区春季研修会を平成25年6月7日(金)に福知山市民病院にて19時より開催しました。参加者23名(非会員2名)。

1.「320列 CT CoronaryAngiography」
福知山市民病院 渡辺 重光氏
当院では平成16年7月に16列CTが導入され、導入直後から 1年6ヶ月の期間に約150例のCTCAの撮影を行ってきた。それから約8年後の平成24年9月に320列CTが導入され、CTCA検査再開となり、平成25年6月1日現在約140例の撮影を行った。この当院のCTCAの歴史からも分かるように、現在16列以上のCTをお使い施設でも10年後いや7、8年後には、64列、160列、320列CTを使われていることが考えられ、今回は教育講演的に320列CTCAについて考える機会とし発表した。
CTCA画像に影響する因子として、撮影者が注意しながら撮影、画像作成を行っている事を挙げてみました。1.患者の心拍数・不整脈・息止め状態、2.撮影時の時間分解能、3.造影剤のボーラス性、4.適切な心位相での撮影及び画像再構成、5.適切なポジショニング。これらの因子について基礎的な事から説明し、最後にこの注意事項に影響された8症例の画像、他検査との比較を行い紹介した。この事により次のような結論となった。基本は最短時間分解能になる管球ローティションタイムで撮影する。ハーフ再構成などを考えるのであれば、0.35sec/rでの撮影も有利である。再構成も基本はその心拍数に応じたハーフ、セグメント再構成を使用する。しかし、セグメント再構成はどうしても違う心拍の画像を加算するのでボケが起きてしまう。そのため、心拍数65bpm以上でもハーフ再構成で診断可能な画像を提供できるのであればセグメント再構成にこだわる必要はない。ハーフ再構成はベスト、セグメント再構成はベターである。患者様に対して、CTだけでなく最適なモダリティで評価することが誤診を無くす大切な方法となってくる。現在320列CTCAは、冠動脈の形態診断においてとても優れたモダリティであり、検査法である。

2.「当院における頭部CTの撮像方法」
京都府立医科大学附属北部医療センター 豊嶋 章彦氏
平成23年11月に導入したTOSHIBA社製AquilionONEにおいての頭部CT撮像方法を紹介した。当院装置の機能、特徴を紹介しその後、頭部CT撮影時のポジショニング、ガントリ角度の設定を行った。次に従来のConventional scan、Helical scan、今回の装置で新たに撮影可能となったVolume scanの撮像方法、またファントムや臨床データより低コントラスト領域、アーチファクト、被ばく線量の比較を行った。加えて撮影時間、データ量および連続性からの再構成などの点からも比較を行い、総合的にVolume scanは有効であると考えられた。
現在、当院の頭部CT撮影ではVolume scanを主とし、場合により撮影方法を変更している。Volume scan撮影は利点も多いが、制限や欠点も何点かあるためその点も注意しなければならない。
今回、当院における頭部CT撮像方法を紹介させていただきましたが、各施設における装置や撮影方法の特長、また診察や読影に携わる医師などからの画像評価などからも、その状況にあった撮影方法を選ぶべきと考えられる。

3.「造影剤ならびに検査同意書のお話」
第一三共株式会社京都営業所造影剤担当 末光 大介氏
今回は、主に造影剤検査同意書について、講演して頂いた。造影剤検査は、それを実施することにより得られるメリットとリスクを十分検討し、メリットが上回ると判断された場合にのみ行われるべきである。医療事故のすべてが医療過誤によるものではなく、不可抗力により起こりうるものもある。
検査同意書の必要性について、1.患者の検査理解の手助け、2.双方の情報の共有化、3.立証、4.病院側の検査説明の補助、5.記録としての保存等がある。本来は、「説明と同意」が大前提で、依頼医が検査説明書に沿って十分に説明した上で、検査同意をしてもらうものである。しかし実情はどうか・・・プリントアウトされた説明書・同意書を渡し、検査日に記入して持参するよう指示している施設が多いようである。
参考までに(社)日本医学放射線学会医療事故防止委員会のHPに見本となる同意書がある。安全性に関する情報やヨードに関する問診が必要である。それによると、リスク患者へのヨード製剤検査は約6時間前のステロイド投与が必要である。

京都府放射線技師会 | 学術 | 01:40 | comments(0) | - | - |

第551回研修会の演題募集

 今年度も、新人技師さんやあまり普段人前で発表する機会のない技師の方等を対象に研修会を開催いたします。卒後3〜5年くらいまでの方を中心に演題を募集致します。尚、それ以上の方でもかまいませんので、応募をお待ちしています。
演題内容は何でも構いません。自己紹介や施設紹介、今やっている検査、研究途中やこれから学会等に発表しようとしている題材、是非この機会を利用して発表の場に慣れてもらいたいと思っております。発表形式は10分程度のスライドでの口述による発表でお願い致します。

演題募集締め切り:平成25年7月13日 
発表者氏名、勤務先、演題名を下記の連絡先にご連絡下さい。
連絡先:公益社団法人京都府放射線技師会学術担当 原口 隆志
 宇治武田病院放射線科

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